斜め穴を持つゲージの高精度設計のポイント 2
Before
作業性を向上させるためにローレット加工を全周に設計しているが、製作工程上ローレットが付いていると、この斜め穴のような形状は、チャッキングに問題が起こり加工が困難になる。
測定用のピンゲージに現場作業性向上のためにローレット加工の指定が行われていることがあります。通常の単純形状ピンゲージの場合は問題になりませんが上図のように斜め穴等の形状を持つピンゲージは、周囲のローレット加工が工作機械へのチャッキングの邪魔となり加工が困難になります。
After
特殊形状を持つ特注のピンゲージでは、ローレットのような特殊加工を外し、単純な形状にしておくことで加工性が上がり、ゲージの精度向上につながる。
上図のように斜め穴を持つような特注のピンゲージは、複数の工作機械を活用してゲージ製作を行うことが基本になります。そのため各工作機械での加工性を十分に考慮した設計を行うことが必要で、ローレットのような形状はゲージが複雑な場合は外しておくことで製作コストを下げることができます。
ゲージ製作においては、加工の基準となる面をどこに設定するかということが、高精度を保障する上で重要となります。外周部にローレット加工がある場合、この基準面を作ることが難しくなり、チャッキングの精度も安定しなくなってしまうため、特注のピンゲージの設計時は必要箇所部以外は単純な形状にしておくことが高精度を実現するためのポイントになります。